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ソニー希望・光株式会社のスタッフとインクルーシブアートワークショップを開催

2025.08.04

株式会社ソニー・ミュージックソリューションズ(SMS)とソニー希望・光株式会社がサステナビリティやインクルーシブな価値観を事業の中核に据えたうえで連携を深める、第一弾の共創プロジェクト。その始まりとして、アートを媒介にしたワークショップを開催いたしました。

スピーカーの上に置かれた紙の上でインクをつけたカラフルなスポンジが跳ねている

ワークショップではソニー・ミュージックスタジオでの役目を終えたスピーカーも使われた

SMS×ソニー希望・光、共創から生まれたインクルーシブアートワークショップ

日々の仕事から少し離れ、感性に耳を澄ます時間──。
2025年8月4日、SMSの六本木オフィスで行われたアートワークショップは、ソニー希望・光株式会社のスタッフの皆さんとSMSのCreative Vision Projectメンバーが出会い、共に「創る」ことを通じてつながる、特別なひとときとなりました。

普段は、AIの学習用データを生成する「画像アノテーション」といった緻密な業務を担っているソニー希望・光のスタッフの皆さん。今回のワークショップでは、その日常とは異なる「表現」の世界に踏み出していただきました。しかも、この場で生まれたアート作品は、後日SMSのデザイナーによってアイロンプリントシートにデザインされ、子どもたちがワークショップで使うサコッシュの素材となるのです。

アートに興味があってもなくても、経験があっても初めてでも関係なく、誰もが自分の感性で自由に表現できる。そんな仕掛けが詰まった3つのワークショップが用意され、会場は終始あたたかな熱気と笑顔に包まれました。

“CREATIVE VISION PROJECT”と書かれたスライドを背景に、プレゼンテーションを行う女性スタッフが笑顔で立っている。会場は会議室のような空間。

ワークショップの内容を説明するSMSのスタッフ

声で描く、自分だけの模様──ワークショップ1:コエのカタチ

このワークショップは、プロジェクト立ち上げ当初から協力いただいている一般社団法人konstが提案する創作レシピのひとつ「コエのカタチ」を取り入れたものです。

黒いビニールをピンと張ったステンレスボウルに、カラフルなカラーサンドを思い思いに撒いていきます。そして、ビニールに向かって「ワーッ!」と大きな声をかけると……その振動で砂が踊り出し、模様が次々に変化していくのです。

模様が気に入ったら、接着剤の塗られたスチレンボードをそっと重ねて、模様を写し取る。 シンプルな構造ながら、声の出し方や色の選び方で、まったく違った個性が浮かび上がる体験に。模様を見せ合う参加者の笑い声と歓声が、会場中に響いていました。

黒いビニールを張ったボウルに向かって叫んでいる参加者、声の振動によって生まれた繊細な模様が浮かび上がっている。

砂に向かって大きな声を出すと独特な模様が…

振動でカラフルな砂が描いた模様を、黒いスチレンボードに写し取っている参加者の手元。丸いボウルの上には模様が残っている。

砂の模様をボードに写しとる様子

様々な模様が浮かび上がっている黒いボードが、机の上にたくさん並んでいる

個性的な模様がたくさん生み出されました

光をなぞる、心の線──ワークショップ2:写真の上に描くアート

参加者が次に向き合ったのは、抽象的な表現の写真作品。Man Ray、André Kertészなどの6名の作品群から光の表現を追求した写真約40点が選ばれ、A4サイズにプリントされて用意されました。

お気に入りの一枚を選んだら、透明なOHPフィルムをその上に重ね、マーカーや絵の具でドローイング。写真のイメージに寄り添って描く人もいれば、まったく別の世界を加える人も。

完成した作品は、透明なフィルム同士を重ね合わせることで、複数のアート作品に構成する予定です。多様な感性が重なり合うことで、誰も予想しなかったイメージが生まれます。

黄色いビニール製エプロンを着た参加者が、写真の上に複数の筆を使って鮮やかな絵の具で彩色している様子。隣でサポートする手も見える。

下に置いた写真からイメージを膨らませて描く

カラフルに彩られた紙の上に、白い絵の具を筆で丁寧に塗り重ねている様子。背景には新聞紙と絵の具パレットが置かれている。

イマジネーションで色を選ぶ

テーブルに広げた新聞の上で、青いサメのイラストとカラフルな線が描かれた透明フィルムを持つ参加者。カラーペンや筆が周囲に置かれている。

写真から外して仕上がりを確認

鼓動がつくる、あなたのリズム──ワークショップ3:ハートビート・アート

このワークショップでは、ソニー・ミュージックスタジオでの役目を終えたスピーカーが再登場。 参加者はまず自分の脈拍を計測し、そのスピードに合わせて再生されるビートをスピーカーから流します。

その上に設置された白い紙に、色インクを染み込ませたスポンジを並べると、スピーカーの振動に合わせてスポンジが跳ねたり揺れたりして、模様が紙の上に刻まれていきます。

スポンジの動きに驚いたり笑ったりしながら、自分のリズムでできあがる模様に、思わず夢中になる時間が流れていました。

スマートフォンアプリを使って、手首の心拍数を測定している様子。画面には92bpmと表示されている。

脈拍を計測する参加者

スピーカーの上に設置された紙の上に、色とりどりの絵の具を染み込ませたスポンジを置いている参加者の手元。

インクを染み込ませたスポンジを置いていく

カラフルな水彩絵の具がキャンバスに広がり、偶発的に重なり合った抽象的な模様。赤・青・黄色・緑・紫など、多彩な色彩が自由に混ざり合っている。

鼓動のリズムで振動し、様々な模様が…

表現は、予想を超えて広がっていく

普段の業務ではあまり使わない感覚を使って取り組んだ今回のアートワークショップ。参加者の中には、普段からイラストを描くことが好きな人もいれば、創作に触れるのは久しぶりという方も。それぞれの表現が、会場で交差し、自然に影響し合いながら新しい「ちがい」の見え方を生み出していました。

完成した作品は、SMSのデザイナーによってアイロンプリントシートにデザインされ、ソニーグループのファミリーデーでのサコッシュづくりワークショップで使われる予定です。 一人ひとりの表現が、次の誰かの創作のきっかけになる——そんな循環を生み出します。

今回の取り組みは、SMSとソニー希望・光の事業連携の“はじまりの一歩”。 異なる視点や個性に触れることで、自分の表現も広がっていく——それが、創造の場における「インクルーシブ」の力なのかもしれません。

※ソニー希望・光株式会社:
ソニー希望・光株式会社は、就労意欲のある障がい者に、個人の成長と自立を実現する雇用機会を提供することを目的としたソニーの特例子会社です。個性を活かした職場環境のもと、多様な業務を担当しています。