ニュース

Creative Vision Project 2025〜感じることから、世界はひらく〜ソニーシティ PORT品川にてプロジェクト展示を開催

2025.12.15

株式会社ソニー・ミュージックソリューションズ(SMS)が推進する「Creative Vision Project(CVP)」は、2025年の活動を紹介するプロジェクト展示を、ソニーシティ(本社)PORT品川にて開催しました。会期は12月9日から1月20日までの約1か月間です。 本展示では、インクルーシブデザインの視点からエンタテインメントの体験価値を再考してきたCVPの取り組みを、完成した成果だけでなく、試行錯誤のプロセスや仮説段階のアイデアも含めて紹介しました。展示は主に関係者向けに構成され、PORT品川で実施されました。なお、一般の方へのご案内は行っていません。

ソニーシティ PORT品川の展示会場全景。展示パネルやテーブルが並び、複数の展示セクションが配置されている様子

3つの軸で振り返る、2025年の取り組み

1|共創から生まれたアートと、その広がり

最初のセクション1の展示では、2025年8月に実施した、ソニーグループ株式会社の特例子会社であるソニー希望・光株式会社(SKH)のスタッフと、SMSのクリエイティブスタッフによるアート創出ワークショップを紹介しました。 ワークショップでは、音や振動、光といった感覚的な要素を起点に、異なる3つの手法でアートを制作しました。表現経験の有無に関わらず、それぞれの感性がそのまま表れた原画と、制作過程の記録を展示しました。

続くセクション2の展示では、これらの原画をアイロンプリントシートとして再構成し、子どもたちがサコッシュを制作するワークショップへと展開した事例を紹介しました。
子どもたちは、ソニー希望・光のスタッフが制作したアートを自由に選び、自分なりの発想でサコッシュを制作しました。完成したサコッシュやプリントシートの実物を通して、「つくること」を通じてインクルーシブや多様性に触れる体験設計を、具体的に伝えました。

壁面に並べて展示された多数の抽象的なアート作品。黒地のパネルに円形や粒状の表現が見える

セクション1:みえるもの、みえないもの

円形テーブルの上に並べられたアート原画やアイロンプリントシート。展示説明パネルと制作物が配置されている

セクション2:つくることで、感じる

2|軽井沢での共創と、表現の広がりが生む価値

次のセクション3では、2024年からスタートした一般社団法人konstとの継続的な取り組みを紹介しました。2025年からは、軽井沢町社会福祉協議会に誕生した新たなデザインチーム「アート・あぷりえ」の取り組みの一部として、定期的にワークショップを実施しています。 konstの監修のもと、SMSのクリエイティブスタッフと、軽井沢町地域活動支援センターの就労支援プログラムのもと活動する障がいのあるクリエイターが、ワークショップを通してアートを制作してきました。音や身体感覚を起点に、複数の技法から制作方法を選択し、それぞれのペースで表現を重ねていくプロセスが特徴です。

本展示では、そうして生まれた原画と制作記録を紹介するとともに、続くセクション4の展示で、そのアートが実際にSMSのデザイン業務の中でどのように活用されてきたかを、具体的な事例として示しました。

これらの取り組みは、障がいのあるクリエイターにとって表現活動の幅や就労の可能性を広げるものであると同時に、SMSにとっても重要な意味を持っています。 異なる感性や制作プロセスと向き合うことで、クリエイティブスタッフ自身が、従来の発想や表現の枠組みを問い直し、より奥行きのあるビジュアル表現や体験設計へとつなげていく機会となっているためです。

セクション3とセクション4を通して観ることで、共創によるアート制作が、社会的な意義とともに、エンタテインメント領域における表現価値の向上や人材育成にも寄与していることを実感できる構成となっていました。

木製の箱に収められたアート作品や素材、説明パネルが並ぶ展示テーブル。制作工程を紹介する構成

セクション3:言葉の外側で、考える

展示テーブルの上に並ぶデザイン資料やアート作品、説明パネル。完成物と制作背景を示す展示

セクション4:つたえる、かたちにする

3|2030年のライブ体験を見据えた、新しい試み

最後の展示、セクション5では、社内のMDビジネスカンパニー MD戦略マーケティング課 プランニングルームと共同で立ち上げ、2025年9月から始動した新プロジェクト「2030年の推し活を考える」を紹介しました。

本展示では、音楽ライブやエンタテインメント領域に特化したセンサリーバッグのコンセプトを取り上げました。感覚過敏のある方への配慮として語られることの多かったセンサリーバッグを、特別な支援ツールとしてではなく、誰もが自分の楽しみ方を選べる“ライブ体験を拡張するアイテム”として再定義する試みです。

本プロジェクトでは、将来的にSMSが関わる自社イベントやライブでの活用を視野に入れながら開発を進めています。また、アーティスト側から寄せられる演出や世界観に関する要望にも応えられるよう、実装の可能性を検証しつつ準備を進めています。

展示では、こうした仮説のもとで制作されたモックアップや試作品を紹介しました。完成形を提示するのではなく、「どのような価値として成立しうるのか」「エンタテインメントにどう組み込めるのか」を検討するプロセスそのものを共有する場として構成されていました。

※本展示で紹介した内容は検討・試作段階のものであり、具体的な提供時期や実装を約束するものではありません。

展示テーブル上に配置された資料と小型のプロトタイプ。図やテキストでコンセプトを説明している

セクション5:未来をひらく

図や文章で構成された説明資料のクローズアップ。制作プロセスや考え方を示すレイアウト

プロトタイプとコンセプトを展示

プロセスを開示する展示として

Creative Vision Projectでは、成功事例のみを提示するのではなく、試行や迷い、仮説段階も含めて開示することで、エンタテインメントの未来像を立体的に捉えることを目指しています。

Creative Vision Projectは、社会貢献活動としてではなく、エンタテインメントの価値創出と表現の進化を目的とした取り組みです。 感じ方や関わり方のちがいを起点に、これからの表現や体験をどのように設計できるのか。本展示が、そうした対話や新たな協業のきっかけとなることを目指しています。

PORT品川の展示会場全体。複数のテーブルと壁面展示が配置された広い空間の様子

展示は1月20日まで開催されている

※ソニー希望・光株式会社:
ソニー希望・光株式会社は、就労意欲のある障がい者に、個人の成長と自立を実現する雇用機会を提供することを目的としたソニーの特例子会社です。個性を活かした職場環境のもと、多様な業務を担当しています。